LEGION

カーゴのLEGIONのレビュー・感想・評価

カーゴ(2013年製作の映画)
3.0
ゾンビに噛まれた父親がゾンビになるまでを描いた物語。この作品では登場人物たちの会話は全く無いにも関わらずストーリーが簡単で分かりやすい。登場人物の表情や動き、場所などの映像にある全てを直接的に伝えるから複雑性がなく単純で、7分という時間を上手く使えてるように感じる。ゾンビが存在する世界で主人公は生後間もない娘がいながらゾンビに腕を噛まれているというシチュエーションパニックジャンルだが、人間が作り出せる最大の愛を見ることができた気がする。ゾンビ自体はゾンビになりかけの主人公を除けば一体しかこの映画に登場しない。それでもゾンビが蔓延っている世界観に感じたのは主人公の緊迫感迫る行動と果てしない不安を煽る森林が背景にあったからだと思う。
実際に愛した妻が跡形もないようなゾンビになり、この世にいないのだと感じたときに絶望を押し殺して生きる活力へと変えることはできるだろうか。それに加えて自分の死を悟ったときにどれほど自分以外の人のために行動できるか。どのような環境の社会であってもこれらの能力を持ち合わせた人間が人生の成功者になるのだと感じた。ゾンビという恐怖や嫌悪感を生む存在から優しさを抽出したストーリーの描き方はとても感動した。
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