ヒムロ

ゴーン・ガールのヒムロのレビュー・感想・評価

ゴーン・ガール(2014年製作の映画)
4.5
ニックとエイミーは誰もが羨む理想の夫婦。
しかし結婚5周年の記念日に妻エイミーが失踪する。
当然、警察に連絡するニックだったが、状況や証拠がどんどんとニックが犯人であるかのように追い詰めていく。
妻はどこへ消えたのか、そして真犯人は誰なのか。


なんか見たことある気がするなぁって思いながら見始めたら、やっぱり見たことある映画だったけど傑作だったのでそのまま見てしまった。

ニックの視点で描かれる前半は、何故か変な因果で不利になっていくニックに対して見ている側も感情移入して「なんでだよ…頑張ってくれ!」と思えるのだが、中盤で一度ひっくり返され、いつの間にかワイドショーを見る視聴者達の側に僕らも立たされている仕掛けが見事。
まんまと感情をあっちこっちに動かされる。

そして後半からのエイミー視点で更に感情はぐちゃぐちゃ。
こういう妻を描いた映画はたまにあるがこれほどスッキリせず、しかし完璧な終わり方をする映画もまぁないだろう。
原作小説および今作の脚本を務めているギアリン・フリン氏が40歳ごろに書いた作品というから納得。
妙にリアルな女性登場人物達の、あの怖さや嫌な所の不思議な説得力はまさにここにあって、男性には描けないレベルの何かがある。

完璧なプランに完璧なアドリブ。
見習いたいほどの起点の良さと、それによる絶望感。
死を直接の起因としない後味の悪さも珍しく、もっと評価されるべきポイントだと思った。
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