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カリフォルニア・ダウンのmOjakoのネタバレレビュー・内容・結末

カリフォルニア・ダウン(2015年製作の映画)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

えー個人的に今作は現時点で今年のワースト作品であり、これから事細かに批判というかただの悪口が書かれておりますので、万一この映画が好きな人は読まない方がよろしいかと思われます。

まず、予告を見た時に感じたのは只ならぬエメリッヒ臭、というかエメリッヒの映画かと思ってたんですけど、よくよく調べたら全然違ってビックリですよ。まぁ実際に見たらエメリッヒ映画の方がまだ上等じゃないかと思ったくらいなんですが…。

そもそも今回作り手が最も描きたかった部分は地震による災害シーン…ではなく主演のザ・ロックをいかにヒーローとして立たせるか。話としてはエメリッヒ的な災害パニック+96時間的な家族の信頼を失った父親がそれを取り戻す話で、災害シーンも確かに最大級の規模だと思います。ただ何でしょう、災害の規模が大きければ大きいほど冷めてゆく気持ちというか。。
多分日本にいると地震による危険を前よりリアルな実感として感じてるからだと思うんですけど。今朝も大きい地震があったし、もちろん311の影響も無意識的にしろあると思います。劇中ではマグニチュード9とか言ってたけど、僕は3くらいでも十分怖い訳ですよ。だから映画を見ててこの作り手達は本当には地震の怖さを知らないしちゃんと描く気も全くないと感じました。
映画だからいいじゃんって思う人もいると思うしその気持ちもわからないじゃないんですけど、じゃあ例えば911とかハリケーンを題材に同じ映画を作ったらアメリカ人だって怒るでしょってゆう。あまりにも他人事に描かれてるように感じました。津波はボートじゃ越えられないし、そんだけ正確に地震予測出来るならやってみろと。この感じは「ダイハード ラストデイ」の原発の描き方を見た時に近い嫌な感じで。ハリケーンといえば去年の「イントゥザストーム」は素晴らしかったのになぁ。

そうゆう倫理的是非は置いといても映画として色々普通にダメだと思います。1番は登場人物たちの描きこみ不足。話的に今回ロックはレスキュー隊なのに家族を真っ先に助けるキャラクターですよね。その時点で微妙ですけど100歩譲ってアリだとして、だったら家族が彼にとってどんだけ大事かとか絆を示す描写は絶対必要でしょ。まぁ後からもう1人の娘の存在も明かされるからそれが動機ってことなんでしょうけど、それより1番許せなかったのはロックのライバル的に出てくる嫁の今の旦那の描き方ですね。「フレンチアルプスで起きたこと」ばりにあれだけの災害だったら本能的に身を守るのはしょうがないんじゃないですかね。まして知り合ったばかりの嫁の連れ子ですよ。それに対するロック嫁の「生きてたら殺す」的な言い草も最悪で。その直前のシーンで自分は他の犠牲者を尻目にロックに元妻というだけで優先的に助けられてるくせにですよ。そりゃお前の夫はたまたまレスキュー隊でたまたま地震時にヘリ乗っててたまたま助かって良かったねってことでしかないじゃないですか。彼が悪役的に描かれる理由はわかるけど、その描き方がこの映画の全てを象徴してるように感じました。

その他にクライマックス周りのサンフランシスコシーンの合成感とか取って付けた人助けとかアレなところは尽きないです。ラスト海に沈んだサンフランシスコとそこにはためく星条旗を目の前に「もう一度作り直すんだ」ってどうゆう神経のセリフだと思いましたよ。間違いなく万単位で人が死んでるんですけど。自分でもビックリするくらい不快だったし、2度と見たくない作品です。
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