あるぱか

コードネーム U.N.C.L.E.のあるぱかのレビュー・感想・評価

コードネーム U.N.C.L.E.(2014年製作の映画)
3.9
ナポレオン・ソロの前知識ゼロでの鑑賞。

なかなか評価が別れるみたいだが、個人的には「キングスマン」よりよかった。

ガイリッチー監督曰くアクションは常に新鮮でなければならないそうだ。彼の型にはまらない創造性は作品に表れていたように思う。斬新なカーチェイス然り。

観るものを60年代にタイムスリップさせる時代考証と見事な映像、選曲。レトロな世界観はみていて楽しい。
また、様々な有名作品のオマージュも見られた(『大脱走』のハマー、『007ゴールドフィンガー』のヘリコプターなど)。

ソロの使う米国製スパイグッズとイリヤの使うソ連製スパイグッズの比較に英国人監督らしい米国に対する皮肉がみられて面白い。ラストの島への上陸時の画面分割、あれはなにがしたかったか疑問が残る。あそこまで分割してしまったら、斬新な演出というよりは編集手抜きにみえてしまう。

ソロ演じるヘンリー・カヴィルはこの作品には適役で、相棒が必死に逃げてるのに自分は安全なところで優雅に食事をしながら見物するシーンは秀逸だった。ビシッと決めたスーツが映える。一方イリヤ演じるアーミー・ハマーも寡黙で人間関係が不器用なソ連のスパイになりきっていた。

ストーリー自体は核拡散を阻止する仲の悪い2人のスパイが次第に息が合っていく定番バディムービーではあったが、随所にきいたお洒落で面白可笑しい作風が見事な映画だったように思う。
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