服部だった何か

リトルプリンス 星の王子さまと私の服部だった何かのレビュー・感想・評価

3.6
サンテグジュペリという名にも星の王子さまという名にも見覚えはあるんやけど、全くもってお話を知らん。
まぁ知らんくても問題なく観れるんやけど、あんまり響かんかったのはそれが原因なんやろかとも思う。

響かんかったとはいえ、良い意味で意外な作品やった。冒頭の街を俯瞰で映しズームしていくその瞬間に「おっとこれはほんわかのんびりした感じやないかも」と感じた。俯瞰で見た街がさながら集積回路が如く整然としてたからや。
実際お話が始まってみてもやっぱりその通りで、レールを敷くなんてもんやないぐらいに計画された人生を子に押し付ける親。その親もまた何かに追われるかのように仕事に励む。
分かり易く、極端とも言える描写で自分で自分を束縛、拘束する大人達や社会が描かれる。

そんな中少女が老人となった飛行士を通じて星の王子さまのお話に触れ、そのお話の先へと足を踏み入れる物語。
近いとこで言えば「インサイドヘッド」がそうやったように、いや寧ろそれ以上に大人向けで味わい深くトリッキーな描き方の物語やった。

勿論キッズに見せるのもええと思うし、あわよくばキッズが「大人」になった時や「大人」になる事への戸惑いや迷いを感じた時に観直してもらうのはどやろか工藤。