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プロミスト・ランドのもすのレビュー・感想・評価

プロミスト・ランド(2012年製作の映画)
4.0
産業のない田舎町にガスの採掘施設を作るか、ガス会社の社員の主人公(マット・デイモン)が町の人を説得する話。
放射能の影響や米軍基地問題もそうだけど、害ばかりもたらされるとは言い切れないし、それらの開発によってもたらされるお金でそこに住む人の生活の質が上がるのは事実だと思う。
こういう問題はたいてい、開発したい側が美味しい話をチラつかせて人々をだましているような描かれ方をするけど、主人公も自分の利益だけじゃなく町の人の将来を
考えているのが伝わってきた。マット・デイモンは根の優しい誠実な人間を演じるのがうまい。
開発反対派の人も強引な論調や誇張もあるけれど、自分の長年住んできた土地に危険を孕んだ産業を誘致したくない気持ちもわかる。排他的なところはあるけど、受け入れたら温かい人たちなのだろうなと思うと憎めない。
ラストは賛否両論あると思うけど、この映画の物事にはメリットもデメリットもあり、何が悪いとは言い切れないという一貫した姿勢が集約されていたと思う。身近な問題に置き換えて色々と考えさせられるいい映画だった。
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