モノクロームな映像に古さを感じさせる音楽、現代を映しているのに観ていると何十年も前のものかと錯覚してしまう。もちろんスマホなども映ってはいるのだけれど、人の心の機微を嫌というほどリアルに描いているからだろうか。テクノロジーは進めども、いつの時代も人の中身はそんなに変わらないものなのかも。
ニューヨーク、バレエカンパニー実習生27歳のフランシス。親友は同居人のソフィーだけ。
頑張って明るく振る舞うが常にどこか痛々しく、観ていて辛くなってくる。自分の不器用で見たくない部分を見せつけられているような感じ。
彼女にとって理不尽なことばかり起こるのだけど、その理不尽さが彼女次第で180度変換できそうなものばかりだったりもして、少しずつだけど受け入れるところは受け入れて変わろうとする彼女を応援したくなってくる。
めまいがするときは、ベッドの端に仰向けに寝て片足を床につける横になって片足だけ床につけるのだ。そうすれば大丈夫になるから。
じりじり胸に来るのに心地良いという不思議な映画。冒頭とラストに出てくる郵便受けに、こんな意味のある使い方があったとは。最後にフランシス・ハの意味も分かりニッコリ。