鹿江光

フランシス・ハの鹿江光のレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
3.5
≪70点≫:半端な人生が勇気を与える。
目の前にあったはずの「若さ」と「夢」が薄れていき、気付いた時にはもうアラサー手前の女――、何もかもタイミングがずれていて遅い、そんな中途半端なフランシスの姿が徐々に愛おしくなってくる。全編モノクロで、時にグダグダ、時に疾走感、色がないからこそ若干ファンタジーのようにも感じ取れる。
まさにタイトルの『フランシス・ハ』が作品そのものを語っているようで、すごく良い。多数的な位置での女性の幸せがどこにあるのかは若干想像し兼ねるが、果たしてこのフランシスの将来が悲劇的なのか喜劇的なのか、そこら辺の判断が難しい。けどまぁ「楽しそうならいっか」って感じ。
個人的な嗜好として、この手の作品は空振りで終わることが多いんだが、本作に関しては割と楽しめた。共感云々の楽しさではないけど。
鹿江光

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