親友のソフィーとルームシェアをしながら、
有名なモダンダンサーになることを夢見るニューヨーカーの女性フランシス。
夢に届かずも楽しい毎日を送っていたが、
付き合っていた彼氏とは破局、
肝心のダンスは結果が出ず、
とどめには突如親友にルームシェアを解消されてしまう。
金なし職なし家もなしのフランシスは、
(家なし緊急回避のため)知り合いの家に転がり込んだり、
(家賃払えなくなったため)実家に帰ってのんびり過ごしたり、
(つよがり暴走モード発動により)2泊3日パリ旅行を決行したりと、
前途多難のまったく落ち着く気配なし。
現実に振り回され夢にしがみつきながら前に進んでいく。
予告編で観てもイマイチ魅力を感じられず、
「なんとなく洒落てるっぽいから観てみるか」
くらいの気持ちで行ってみたのですが、
洒落てた良かった面白かった。
お客さんも結構多かったし。
元レンタル部門の嗅覚はまだ衰えていなかったようです。
ざまーみろ‼︎
全編通してモノクロで撮られたこの作品。
大人になり切れない女性のわがままとつよがりから始まります。
そしてそれらが見事に環境や友情や夢や将来をぶち壊して行きます。
崩壊すればするほど残るのは現実。
しかし厳しい現実というものは決して悪いものではなく、
冷静に物事を見るために必要不可欠なものだったりする。
「ちゃんと自分を見つめ直しなさい」
というサインだったりする。
徐々に周りが見え始め大人になるフランシスの姿。
それは強く逞しく美しい見事な変わり様です。
観ている人の心を奪う傑作の成長譚でした。
ちなみにタイトルの「フランシス・ハ」にはちゃんとした意味があります。
「いつかこの映画を観た人と語り合いたい」
と思うほどの意味がラストに込められていました。
ガールズムービーなんで、
女性の方にオススメの1本です。