千紗

フランシス・ハの千紗のレビュー・感想・評価

フランシス・ハ(2012年製作の映画)
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ティーンエイジャーのまま、親友とも仲良しのままずっと続いて行くものだと思っていたのは自分だけで、いつかの話をいくつも重ねて夢を追い続けていたのも自分だけで、気づいたら周りの人たちは大人になって行く。欠点は美点と言うけど、自立して大人になって行く周りに置いてけぼりを食らった感覚が、現実を見つめたら惨めなばかりだという焦燥感になって伝わってくる感じ。胃が痛むような、重くなるような心地で観た。

フランシスの会話の取り止めのなさにまわりの人たちが戸惑うシーンは胃がキリキリした。自分もそんな風なこと言ったことなかったかな、って。愛嬌たっぷりでエネルギッシュなフランシスが、痛くもあり爽快でもある。フランシスが恋愛に求めるものは恋を超えた先にあるような愛の形で、それは周りの人たちよりある意味フランシスの方が成熟してるのかも?
二人は恋人になっても良かったのかもしれないけど、運命の相手とはどんな形の愛でもいいんだなと思えた。
千紗

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