ミリオンダラーベイビーを越える映画に出会えるとは思わなかった。
何て言ったら良いのか分からないけど、観終わった後、何か熱いものが奥からこみ上げてくる、そんな感じ。
題名からするとよくあるボクシングムービーかと思うかもしれないけれど、実際は格闘技というスポーツを通してでしか対話することのできない不器用な人々を描いた、兄弟愛や親子愛、友情、師弟愛、様々な愛がふんだんにつまった作品だった。
とある出来事により軍隊を離脱したトミー(トム・ハーディー)と物理を高校で教える傍ら、家族のためにケンカでお金を稼ぐブレンダン(ジョエル・エドガートン)の兄弟が過去のとある出来事からずっと疎遠だったにも関わらず、総合格闘技の試合において長年果たせなかった再会を果たす。
確執に近い関係であった兄弟がリング上で本気でぶつかり合いながら、闘うシーンはただただ息を呑む迫力だった。
お互いに口下手で多くを語らない性分だからこそ、一対一のぶつかり合いを通して「対話」をしようとする、最後のシーンに圧倒された。
映画館で見て欲しい。