ミニオン達のこれまでの歴史と生態が明らかになる序幕と、謎のイギリス侵略を見せる本編からなるスピンオフ。
68年のイギリスを舞台に、The Kinks、The Who、The Turtles、Doors、The Beatlesなどの名曲をバンバン流して雰囲気を出したり、紅茶、アンディ・ウォーホル、ニクソン、ヒッピー、ジミヘン、エリザベス女王、アーサー王伝説などのイギリス文化ネタをちょこちょこ挟むことで、大人への毛繕いを欠かない内容になっている。
ケヴィン、スチュアート、ボブという固有の個体を主役に据えることで、感情移入しやすい作りにしており、さらにそれぞれがマーゴ、イディス、アグネスを意識した性格であることで既視感とバランスの良さを感じられた。
基本的にミニオン達が不死身であり、ボスに絶対服従という行動原理も一貫しているので、その生物兵器としての素養を遺憾無く発揮している。これらと彼らの魅力である無邪気さも相まって、こちらの常識を意に介さないナチュラルサイコな言動が面白おかしい要素になっていた。
萌え映画の域を出ないため、ミニオンが好きなら楽しめる、といった作品。