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リトル・フォレスト 夏・秋のーのレビュー・感想・評価

3.3
-セリフと画面の矛盾

かなり丁寧な調理描写が多い作品なのだが、ヤマメの塩焼きを調理する一連シーンでは、内臓を取り除く描写がカットされている。
直後のセリフで、
「他人に殺させといて、殺し方に文句付ける人生なんて送りたくなかった」と語られるが、それとは反対に直接的な描写を控えて綺麗に整えられた画面を見せられては全く説得力を持たず、「素敵な田舎暮らし」を語るための言い訳のように感じられた。

-漫画と映像の違い

漫画はその性質上、「止め絵」でしか事物を表現出来ないため、文字による補足説明、状況説明が入ることがしばしばある。その点、映像は、「動き」で物事を説明することが出来るため、本来、文字やセリフによる説明はあくまで補助的な役割に留めることができるはずである。
その中で、漫画に書かれた文字情報を映像内でそのままセリフや文字などで説明すると過剰な演出になってしまうことがある。
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