主演女優の、スローライフを描くプロモーションビデオのようだった。何もかもがおとぎ話のよう。作物を育てるのも、収穫するのも、美しい手で行われる。料理も、盛り付けに至るまで完璧だ。フードコーディデーターがついているのだから当たり前なのだけど、何を映していてもソツが無く、それが虚しく見える。虚構の物語。それは分かっているが、あまりにも幻想過ぎて、薄っぺらかった。
鴨を捌くシーンで、エキストラの人が放った「ご苦労様でした」というセリフに笑いそうになった。結局、『鴨を捌く』、『苗を植える』、『稲を刈る』、その一連の動きを収めるためだけの映像を延々と見せられただけに過ぎない。
