アマデウスのやまさんのネタバレレビュー・内容・結末

本当に素晴らしい作品でした。ラストの「あんたもこの世の凡庸なる者の一人。私はその頂上に立つ凡庸なる者の守り神だ」というサリエリの台詞が忘れられない。天才を理解し得るだけの才能を持ってしまったサリエリにとって、モーツァルトの才能はただただ劣等感しか生まない。「モーツァルトは天才だ！芸術だ！」と口を揃えて言う者も、所詮は上辺だけで本当に理解することのできる人間はごくわずか。そして、そのごくわずかな人間であるサリエリもまた天才であると思う。しかし、その天才から見てもモーツァルトの才能は圧倒的なものであり手の届かない存在なのである。それらをラストのシーンで総括し、完璧にまとめ上げていた。モーツァルト(天才の中の天才)とサリエリ(天才を理解できる天才/凡庸なる者の守り神)、一般人(凡庸なる者)らの対比が本当に凄かった。
160分くらいの映画だけど、全く長く感じません。