うさべりー

アマデウスのうさべりーのレビュー・感想・評価

アマデウス(1984年製作の映画)
4.5
オープニングで「交響曲25番ト短調より第1楽章」が流れると、観客はモーツァルトやサリエリが生きていた頃の時代に誘われてしまいます。

主よ、あなたを讃える曲を創り続けます。と誓いを立て音楽の世界へと身を投じたサリエリ。
しかし、彼の前に現れたモーツァルトは神の調べをこの世に送る事の出来る天才だった。

一つ一つの旋律を生む度に神に感謝していたサリエリが、神を捨てモーツァルトへの憎しみを表に出すシーンは、静かな描写だけにかえって彼のすさまじい思念が伝わってくる。

モーツァルトは死の直前、サリエルに許しを請う。

僕は、あなたに嫌われているのだと思っていた。

許して欲しい。と。
モーツァルトの言葉に、サリエルの返事はなかった。


しかし、ラストでサリエルが「私は、あなたを許す」と神父や病院の患者達に満ち足りた表情で言う。

これは、神から愛されたモーツァルトが自分に許しを請うた事で自分を神と同じ位置に立たせてしまったからではないのだろうか。


原作者であるピーター・シェイファーが脚本を書いた事が成功の要因の一つである事は間違いないと思う。

この年のアカデミー賞始め、いろいろな賞を総なめにした感のある超大作。観て損はありません♪
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