このレビューはネタバレを含みます
今話題の著書『天才を殺す凡人』の『天才』と『秀才』は、モーツァルトとサリエリの関係だと、著者の北野唯我さんが例えていて、気になり映画をみた。
『モーツァルトを殺したのは私だ』
サリエリの悲鳴から始まる衝撃的な作品。精神病院で、サリエリが、神父へ懺悔をする形でモーツァルトとの過去を振り返っていく。
モーツァルトの才能を誰よりも理解するが故に、才能に嫉妬し、様々な妨害をしてしまうサリエリ。モーツァルトにはかなわないと。モーツァルトの作り出すオペラを聞いたサリエリは、まさに彼の一番のファンだったのではないだろうか。
オペラのシーンもさながら、終盤の見えない亡霊に取りつかれたか様に、レクイエムに取りかかり衰弱していくモーツァルトの姿が見所。
そして、全てを神父に吐き出したサリエリは、凡庸なる人々の守り神になる。『凡庸なる人々よ、罪を許そう』と。
改めて、モーツァルトの作った音楽に触れてみようと思った。