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ヴィオレッタのalisaのレビュー・感想・評価

ヴィオレッタ(2011年製作の映画)
3.1
倫理的問題は置いて、衣装とヴィオレッタの存在が芸術的センスに長けていた。監督の実話を実写ということだけれど終始、この作品を通し母親に対しラブコールを求めているのか執念か復讐か、世に過去の自分を晒すことでどう魅せたかったのだろうと思った。児童虐待や子どもの基準はやはり親、と声を浴びせられるなかで彼女はただ普通に愛されたかっただけなのではないだろうか。その悲痛な叫びが映画という表現に化けたのだろうと無心で画面を観ながら感じた。
この徹底した独特の世界観を、人としてではなく作品だけでいうと私は評価したいと感じた。狂気じみていて気味は悪かったが。(あまりレビューで罵られる程ポルノ的要素を感じなかった。)
愛と血の繋がりの歪み。子は親を選べない。学校に行く理由として「普通を得る」が加わるのでは、と感じた。
写真界隈の被写体はこれを観てどう思うだろう。何も感じないか。
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