もうすぐ上映が終わりそうな気配だが、なんとか劇場で観られた。
原作マンガの映画化としては、かなり良作。
単独作品としてみると、若干不満。
良かった点は、原作キャラの持ち味を再現していたこと。
不満な点は、原作エピソードを消化しきれず、説得力が薄れたこと、かな。
楽団員を演じる役者たちが、それぞれすごくイイ味出しているので、
天道に巻き込まれて振り回されて再生していくのが微笑ましく、楽しく観られる。
初演技だというmiwaは、ちょっとぎこちなくて浮いてたけど、
この作品の場合は、いい感じに天然っぽい雰囲気が感じられました。
むろん、西田敏行の快演・怪演は言うに及ばず。
一方で、ストーリーの背骨となる部分は、
原作マンガを読んでいるとすごくストンと来るのだけど。
香坂父母と天道夫婦のエピソードがかなりカットされたことで、
「なぜそこまでして、香坂コンマスでこれをやりたかったか」
が、ちょっと伝わりにくかった気がする。
香坂自身の話も、楽団解散前のことがほとんど描かれなかったので、
ただ「文句の聞き役＆仕切り役」という感じで、いまいち感情移入できず。
（脚本の問題であって、松坂桃李の問題ではないと思う）
NHKのプレミアムドラマ枠とかで、５話ぐらいかけてやると良さげな話かと。
