ペッタンコ

紙の月のペッタンコのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
4.0
主演の宮沢りえさんはもちろん、原作には登場しない、脇役の小林聡美、大島優子がメッチャ光っていました。いい映画は脇役で決まるというのは本当ですね。とくに大島優子が演じる『悪魔の囁き係』のような後輩銀行員が、物語が進むうちに(ホントはこんな人、元々存在してなくて、主人公の妄想だったんじゃない?)って思ってしまうほど恐ろしい。

映画祭では六本木シネマズのスクリーン7で見たので、ものすごい緊迫感と威圧感が伝わってきました(スクリーン7で見る石橋蓮司のどアップは凄いです)

あと、音楽の使い方が好き。リトルモアは優しく恋の始まりを予感させ、横領シーンでは緊迫感ある手に汗握るサスペンス風の劇版、賛美歌は主人公が子供のころから持っている病的な慈悲深さを音楽でよく表現しているように思いました。特に賛美歌、ラストの歌声が少女から大人の女性に変わった時『美しい蝶に脱皮した瞬間』って感じがして、少し怖かったです。

主人公に共感できない、という意見も多いと思いますが、これは『共感』しなくても『想像』する面白さがある、と思います。

吉田大八監督の次の作品が今から楽しみです!
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