レイチェル

紙の月のレイチェルのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
5.0
安全な生を通り過ぎる迫力。梅澤の制服の背中の青は限りなく深い海のようだった。彼女がそんなに大きい波になっていく間、彼女に渡るか渡らないかを訪ねたクライマックスの隅さんの顔はまるで自分にはどうしても渡れない海を見る人のものだった。その顔は忘れられない。この映画の中、実の幸せは誰にもなかった。偽物から走り逃げる梅澤。彼女の感情によって変わっていく全体的な色。不安定な音楽。重いメッセージ。映画が私に「驚くな、あなたの中にもあるんだ、こういう考え。」って言うような気がする。