はるかわ

紙の月のはるかわのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
3.8
転落の原因のひとつは夫との関係だが、それを物語る腕時計のシーンがすごい。2人が決定的にうまくいってないことが端的に伝わってきてヒリヒリする。

池松壮亮とのシーンは全部最高だった。特に、スイートルーム(カップ麺)とテラス席(パラソル)のシーンは良すぎてかき乱された。書類の偽造で荒れ果てていくリビングも素晴らしく、すべての元凶みたいに見えていた夫が終盤どんどんかわいそうな存在に思えてくるのも見事だった。

ただ、最後の小林聡美との会話は長い。そこまでの素晴らしい演技で感じ取れるので、あまり心情を言葉にしないでほしい。昔の回想も途中までは気にならなかったけど「父親の財布」の話になると説明的な感じがしてしまった。
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