かわぐ

紙の月のかわぐのレビュー・感想・評価

紙の月(2014年製作の映画)
3.5
銀行の派遣社員が次々に横領に手を染めていく。1万、200万、3000万と規模が大きくなるにつれてみていて辛くなる。1万円に手を出した辺りまでは魔がさしたのかとまだ理解できるがたまたま知り合った大学生にハマっていくあたりはよくわからない。ゆきづりの関係かと思ったら、惹かれていく描写も特になく気づいたら大金をつぎ込んでいく。後に幼少時代から人に施す事に異様な執着を持っていることがわかるがそうなった経緯は子供から手紙を貰ったことが嬉しかったくらい。手紙がよっぽど嬉しかったのか。最後はなんだか後味が悪いなと思った。
宮沢りえのラブシーンは必要だったのだろうか。みていて気持の良いものではないな。大島優子はAKBのPVで歌っているくらいしか映像見たことなくて喋ってるのはほぼ初めてみたかもしれない。声の印象が全然違った。
人間模様を描くのは流石に上手い。"ありがち"を描かせたらこの監督が日本で一番上手いのではないだろうか。ラストのガラスを割って走り出すシーンは桐島の屋上のシーンを彷彿とさせる。「ロメロだよ、そのくらい見とけよバーカ!」くらいの最高の台詞が添えられていたならなお良かった。
 
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