このレビューはネタバレを含みます
2013年日本。
第6回『CINEASTE 3.0- デジタル時代の作家たち-』@ヒカリエにて鑑賞。
村松監督の作品を観るのは初めて。キャストに女性が多いのは、女性映画を意識して撮っているわけではなく、演者希望者に女の人が多いからとのこと(イベント第2部監督インタビュー参照)。
女性のアンチエイジング願望を描いた映画だった(STAP細胞のニュース考えるとタイムリー)。夏を舞台にした白っぽい画面に、白昼夢のなかゆらゆら酩酊しているような感覚を味わう。
立原あゆみ作画みたいな背の高い女優さんがいた。H & Mで購入したような安っぽい青紫のスーツを着てキャバクラ勤務に向かい、朝方に仕事疲れで憔悴してフラフラ土手を歩く。非現実的な物語に、いちばんマッチした存在感だった。
女性が女性の身体(死体)を執拗に触るフェティシズムが、最後まで貫かれていた。持ち抱えられ、延々とソファの上と床を移動させられる死体。それだけが物語の唯一の動きと言ってよく、「老いを止めようとして右往左往し、今いる場所から一歩も動こうとしないことすること」の不毛さと、パラレルであるかのよう。