よん

ヘルレイザー ワールド・オブ・ペインのよんのネタバレレビュー・内容・結末

3.4

このレビューはネタバレを含みます

ヘルレイザーのシリーズ7作目に当たる本作、5, 6作目のサイコホラー路線への転換が、個人的にかなりヒットしていただけに期待度高だったんだけど、今作は今一つ…。

(あらすじ)
主人公は英国タブロイド紙の敏腕女記者エイミー。ある日上司のチャールズ(以前戦場?カメラマンとして苦楽を共にした)から、謎のビデオを見せられる。
そこに映っていたのは若い女性がピストル自殺する様子。死体となった女性に謎の青年が口づけをすると、直後女性は甦り周囲のカルト集団と喜びを共にしていた。
『これは作り物でしょ?』と言うエイミーにチャールズは、真偽を確かめたくはないか?とルーマニア ブカレスト行きのチケットを渡すのだった…。

5, 6作目はそれまでと変わり現実と虚構が入り乱れる脚本で、自身の内面のトラウマや葛藤を、抽象的に、丁寧に描いていた点が素晴らしかった。
対して今作。前作と同じくサイコホラー調で現実と虚構を描く作りは同じだが、違いは謎のカルト集団という目標が存在すること。
この為物語の中心は青年とカルト集団の謎になり、主人公の内面にあるトラウマ(父親からの暴力と性的虐待)は添え物程度の内容に…。
背中にナイフが刺さったまま痛みも感じず生きているエイミー。現実と虚構の入り交じりかたは前作と同じだが、描かれるものは全て写実的で、物語の中心は謎の青年の目的に集約していく…

結局、謎の青年ウィンターは玩具職人の子孫で、自分では手に入れられないルマルシャンの箱の魔力のためエイミーを導き目的を果たそうとするもののピンヘッドが現れ…
ウィンターはチェーンで全身破砕、信者はチェーンで串団子、エイミーはセノバイトの手から逃れるため自らの命を絶ち、物語は終わる。
毎回詰めの甘いピンヘッドには、期待通りの安心感があって良かった。


監督と脚本は6作目と同じなんだけど、かなり表面的な内容に終わったのが残念。
特典映像でカットシーンを見ると、心理描写が多くあったので、全部残したほうがバランス良い良作になったのでは…と残念でならなかった。

ちなみに原題はHELLRAISER: DEADERなんだけど、邦題のワールドオブペインって何…
よん

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