キミシマユウキ

ジョン・ウィックのキミシマユウキのレビュー・感想・評価

ジョン・ウィック(2014年製作の映画)
3.8
最愛の妻が亡くなる前に遺してくれた飼い犬をロシアンマフィアボスの息子に殺された伝説の元殺し屋ジョンウィックは、全てを投げうって復讐のために現役復帰する…

『スピード』『マトリックス』のキアヌリーブス主演の単純明快アクション復讐映画。
キアヌは昔からファンなので早速劇場で鑑賞。

みんなアァァ!!俺たちのキアヌが帰ってきたぞ!!

本当にこの一言にに尽きるシンプルな映画だった。
自らの小さな希望であった可愛い子犬を簡単な理由で殺されてしまった元殺し屋が、その関係者をひたすら殺しまくるという非常に単純な作りのためすぐに映画に入り込める。

「ストーリーなんていらねぇ!!お前らキアヌのアクションが観たくて仕方なかったんだろ!?!?俺もだよ!!!」

と『マトリックス』のスタントも手掛けていたチャドスタエルスキー監督の言葉が聞こえてきそうなくらいキアヌ愛に溢れていた100分弱。初監督ということで若干初々しさも感じたものの充分にその実力を世に示したのではないだろうか。
その簡単すぎるストーリーを補うアクションはさすがの一言。

!!ガン(銃)×カンフー = ガンフー!!

という造語を作っちゃうくらい格闘と銃撃の応酬だ。彼の復讐心の表れなのか、どの敵も常にとどめの一撃を頭にぶち込む流れは伝説の殺し屋の風格を思わさせた。逆に格闘の方は他の方が言うようなスタイリッシュでキレキレという印象は感じず、泥臭く執念と寝技でゴリ押しして勝ち取ってきたような戦い方に見えた。
もちろんこの映画を支えるのはその派手なアクションだけではない。
裏社会の全貌や掟<ルール>、そして各々ジョンウィックに協力していく闇の業界の仕事人たちが非常にクールだ。
電話で「ディナーの予約を」と言うと駆けつけてくる死体清掃屋、車のナンバー等を変えてくれる業者、仕事人を泊めてくれる謎のホテルと厳格な支配人、挨拶交わしただけで死体があってもスルーしてくれる警察、そしてその裏社会でのみ通じている謎の金貨…等々、同業者たちの世界観もダークで自分好みだった!!
彼らが前半で
「お前…とんでもない奴を怒らせたぞ…」
と静かに敵をビビらせ、映画を盛り上げていく雰囲気はニヤニヤが止まらない。

主演のキアヌリーブスは完全にお帰りなさい!!
完璧だ。全盛期の頃の若々しさはないがその分貫禄とオーラがより出たと思う。顔が若すぎて50代とは思えない!!ただ個人的には髭がない彼のほうが好きなので-0.1点しておこう。
彼の同業暗殺者にウィリアムデフォー。
『スパイダーマン』のグリーンゴブリンで有名な彼だが、この映画に渋い男臭要素を足してくれる重要な役割だった。
あとは目立った俳優はいなかったが、車業者に安定のラテン系俳優ジョンレグイザモがいて安心した。この業界系の映画には大体出てる気がするぞ。

まさにキアヌリーブスのためのアクション映画だ!
中盤、彼のセリフで
「現役復帰したのか?と聞かれてちゃんと答えられなかったが、今ハッキリわかったぜ。俺は戻ってきた!」
という言葉でなんだかジーンとしてしまった。これはきっとキアヌ自身の言葉でもあるのかもしれない
早速続編も作られているらしいが、果たして次は何を復習するんだろう?(笑)

アクション映画好き、キアヌリーブスのファン、キアヌリーブスのファン、そしてそして!キアヌリーブスのファンの方にはおススメしたい作品。