南

ブレイン・ゲームの南のレビュー・感想・評価

ブレイン・ゲーム(2014年製作の映画)
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大好きな『セブン』の続編として脚本が書かれた、という触れ込みで観ました。

「将来その人が不治の病で苦しむ事が分かったとして、慈悲の心から苦しむ前に死なせるのは、善か悪か」

という生命倫理に関する問題提起がテーマです。

「苦しむ前に安らかに死なせるのが慈悲だ!」

という主張1を代表するのはコリン・ファレルが演じる連続殺人犯。

一方、

「苦しむ経験は愛し合う人どうしの絆をより深める事もあるから、誰にも死なせる権利などない」

という主張2を代表するのがアンソニー・ホプキンス演じる主人公。

(ドクターキリコとブラックジャック先生の確執を思わせます)

クリント・イーストウッド作品のように

「重たい議題に関して両極端な意見を戦わせあうディベート」

が本質ですが、《バディものサスペンス》と《超能力バトル》というオブラートで包まれてエンタメとして観やすく仕上がっています。

それから主人公が未来予知をする描写やサイコメトリーの描写などが映像の面で押されるポイント。

斬新な映像ではないですが、25年くらい前にドラマで観てた『サイコメトラーEIJI』を思い出して懐かしい気持ちに。

浴槽に浮かぶたくさんの百合や、背中に妖精の羽を付けて廃墟をうろつく少女など、ミュージックビデオ風のシーンもツボでした。
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