大好きな『セブン』の続編として脚本が書かれた、という触れ込みで観ました。
「将来その人が不治の病で苦しむ事が分かったとして、慈悲の心から苦しむ前に死なせるのは、善か悪か」
という生命倫理に関する問題提起がテーマです。
「苦しむ前に安らかに死なせるのが慈悲だ!」
という主張1を代表するのはコリン・ファレルが演じる連続殺人犯。
一方、
「苦しむ経験は愛し合う人どうしの絆をより深める事もあるから、誰にも死なせる権利などない」
という主張2を代表するのがアンソニー・ホプキンス演じる主人公。
(ドクターキリコとブラックジャック先生の確執を思わせます)
クリント・イーストウッド作品のように
「重たい議題に関して両極端な意見を戦わせあうディベート」
が本質ですが、《バディものサスペンス》と《超能力バトル》というオブラートで包まれてエンタメとして観やすく仕上がっています。
それから主人公が未来予知をする描写やサイコメトリーの描写などが映像の面で押されるポイント。
斬新な映像ではないですが、25年くらい前にドラマで観てた『サイコメトラーEIJI』を思い出して懐かしい気持ちに。
浴槽に浮かぶたくさんの百合や、背中に妖精の羽を付けて廃墟をうろつく少女など、ミュージックビデオ風のシーンもツボでした。