人間もどき

ライト/オフの人間もどきのネタバレレビュー・内容・結末

ライト/オフ(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

話作りがキレイな良策。

ホラー映画は怪異にルールを与えることで、煩雑さを防ぎ緊張感を視聴者に与えることができる。

本作は冒頭の犠牲者でしっかりそのルールを説明すると共に、犠牲者がただ死体を晒す為のモブではなく、犠牲者となり得るちゃんと意味のある役割となっているところが素晴らしい。

また、ルールの理由付けもしっかりされつつ、少々行き過ぎた怪奇現象(停電)も「元々はすごい超能力者のやることだし……」と謎の納得感を抱きながら見ることができる。

オチの付け方も怪異の逃げ場がない密室で巨大な光源をぶつけるとか、そういう海外映画特有の力業ではなく、現実的な始末の付け方と責任の取り方だったのも個人的に映画への好感度が高い。

主人公のカレシも主人公を元気付けたり、時に諭すキャラクターとしての役割だけでなく、あの場で一時的に逃げ出し、警察を呼び、自然な形で拳銃を現場に用意する役回りをになっている。ピタゴラスイッチカレシ。

難点を上げるとすると、怪異がさして怖くないこと。
吹き替え番だとなおのこと存在(声)が主張し過ぎて萎えるところが残念だったけれど、その分シナリオの丁寧さで楽しませてくれる作品だった。