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ライト/オフのmayaのレビュー・感想・評価

ライト/オフ(2016年製作の映画)
2.0
最近ちょいちょい見たくなる怖い系。
ジェームズワン絡みということも相まって観に行ってみた。
かなり突っ込みどころ満載映画。
まずそこまで怖くはない。ホラー苦手な私がそこまで怖くないと感じるくらいなので、おそらくぜーんぜん怖くないのだろうと思う。


光に触れることが出来ないという病気の少女が、治療中に死亡し、死後唯一慕っていた親友の女性の妄想の世界の中で再び存在しようとする。
見終わって、幽霊なのかなんなのかわからない存在は、結局のところ母親自身が生み出した空想の産物であり、もしかすると母親自身であったのかもしれないと思う。
それは母親が精神疾患を抱える女性であったことに関係があると思う。

幼い頃に病院で特殊な出会いをし、なおかつその相手は謎の死によって彼女の前から姿を消す。
少女が生きている間は、その少女をうっとうしい存在だと思っていた。
でも自分を必要としてくれる人を無視することはできない。
しかもその存在が死んでしまったら、少なからず後味が悪い思いを抱えることになると思う。
もともとの精神疾患もあって、彼女は想像の中にその光アレルギーの少女を存在させようとした。
もう死んでしまったけど、暗闇の中では存在できる者として。
次第に彼女が生きてるかのような錯覚に陥っていく。

この映画を見て、最近読んだ中村文則の「去年の冬、君と別れ」という小説を思い出した。
この小説は、ある殺人事件を起こした犯人とその犯人についての本を書こうとするジャーナリストが登場するんだけど、その話の流れの中で1人の人形師が登場する。
彼はある特殊な人たちに需要があって等身大の人形を作り続けている。
多くは亡くなった人の代わりとしての人形。
そして客はその人形を自宅に持ち帰り、共に暮らすようになる。
しばらくするとその人形が話しかけてくるようになるという。
なんなら、生きていた時のその人よりも魅力的に感じられるようになる。

怖い。
この小説は「ライトオフ」の何倍も怖かった。生きている人間が、死んでしまった人間に対して必要以上に固執した結果想像力の外側へ行ってしまうこと。
実際に幽霊が存在するか否かではなく、死んでしまった人間の模造である人形に対して、生前の人物以上の生気を感じてしまうということ。
霊魂ではなく自分自身の力で死に引き寄せられてしまうということ。
怖すぎる。

あ。。映画とまったく関係ない感想になってしまったのでこのへんでライトオフします。パチン。
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