ベカオースター

赤い部屋の恋人のベカオースターのレビュー・感想・評価

赤い部屋の恋人(2001年製作の映画)
3.5
脚本のエレン・ベンジャミン・ウォンはウェイン・ワン、ポール・オースター、シリ・ハストヴェット(オースター奥さん)合作のペンネームですが、ミランダ・ジュライ(ミュージシャン/作家/映画監督。マイク・ミルズの奥さん)も参加の共同執筆。ワン&オースターの「スモーク」「ブルー・イン・ザ・フェイス」はニューヨークの街角の片隅だったけど、こちらはラスベガス(The Center of the World)のホテルのスイートルームが舞台なのでアウェー感でオースター色は希薄。ミリオンダラー稼ぐトレーダーとストリッパーの契約恋愛。惹かれ合っても恋してはいけない、アクリル板1枚挟んだようなディスタンスな官能。ヒロインがやっているバンドがRiot Grrrl系なのは制作された時代っぽいなあ。この主人公の虚無の果てが、ドン・デリーロがオースターに賛辞した小説「コズモポリス」(クローネンバーグ映画化した)に練脈してんのかなあって勝手に思ったり。