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華麗なる晩餐のilのレビュー・感想・評価

華麗なる晩餐(2008年製作の映画)
3.0

ショートフィルムだからシンプル設計だけど、そこに込められたメッセージ性はワンメッセージではない気が。

プラットフォームは食物が降りてくるのは一緒だけど、階層=ヒエラルキーで意味合いは違う。上昇していくし。

グルメ卓とシャンデリアが落ちていく。
それが
過剰な欲は堕落を引き起こすという暗喩なのだとしたら、
浅ましくて、喰らう事以外無頓着な登場人物達の異常性はそのままビジネス界やエンタメ界にも置換可能。

内心では良く思っていなくて、踏みとどまりたくても、歩みを止められず、結局なし崩し的に迎合するしかない所なども余計に。

というだけなら社会風刺で終わるけど、
調理人達のハイテンションさ、
階層の読み違い。
淡々と仕事をこなし客を落としていく様子。

ら辺からの、コンテンツ提供者の享受者への冷ややかな軽視も見える。

それはまた過剰グルメ=商業主義的大味大作映画と見立てるならカウンターだし、敢えて分かりづらくグロテスクなニッチ寄せの作り方なんかもそう見えてくる。

なんにせよ、12分のフィルムにしては制作費結構かかってそう。
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