鹿江光

薄氷の殺人の鹿江光のレビュー・感想・評価

薄氷の殺人(2014年製作の映画)
2.3
≪45点≫:期待外れも甚だしい!
雪の白さを受けながら進む物語。若干の哀しみが漂うフィルムノワール。なんというか、本作のファム・ファタールの立ち位置にいるグイ・ルンメイが美し過ぎて――「うお、なんだこの巨乳美人!」という感想しか浮かばないほどに、心に響かない作品だった。
果たして本作は何で評価されているのか?映像の演出?被写体の使い方?久しぶりに全く掠らない。
魔性の女に堕ちていく男の姿だとしても、何か決定的なものが足りない気がする。不条理な生の中で生きる女の姿だとしても、何かが足りない。強いて言うなら、タイトルは原題直訳の「白昼の花火」の方が遥かに良い気がする。残念ながら、本作は殺人というサスペンスを描いたものじゃあない。
真昼間に打ち上げる花火は全く美しくないし、何の風情も意味もない。でもそのことが本作の全てを語っているようで、それは不条理なのか――断言はできないけれど、まぁノワール特有の後味だった。
鹿江光

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