薄氷の殺人の作品情報・感想・評価

「薄氷の殺人」に投稿された感想・評価

ぎゅう

ぎゅうの感想・評価

2.8

このレビューはネタバレを含みます

中国特有の街の雑多な雰囲気と
ある種の適当さが
生々しく、それでいてセンスがあって
映像はとてもよかった
映像がよいので退屈はしない

ラストの演出と原題の意味、キーワードとなるナイトクラブの名前がマッチしたとき、映画に深みをだす
(でも日本語のタイトルはサスペンスっぽさがある薄氷の殺人で正解だったと思う、その方がとっかかりとして人の興味を惹く)

ただ映像のセンスと
俳優の自然体な演技と
多くを語らない演出で
深みを出してるだけで
ストーリー自体は陳腐

.....ここからネタバレ......
元も子もないかも知れないけれど
悲劇のヒロインが実は殺人の発端でまだよかった
もし彼女がただ殺人をしている夫に
怖くてなにもできないだけの女だったんなら
どんなけ人生受け身なの?
とさらに苛ついていたと思う
もともと美しすぎるせいで運命に翻弄される幸薄い美女とかいう設定好きじゃない
(女は綺麗だったらそれだけでいいみたい。あるいは美人への嫉妬かもしれない)

だからこそ夫だけに罪をきせて逃げ切ろうとしたその図太さに垣間見えた弱さだけがかろうじてヒロインに好感持てた部分

あの状況であれば八方塞がりなのもまだ納得がいく

ただし、主人公の刑事がこの美しき殺人者と恋に落ちるくだりは
都合よすぎて好きになれない
(美人なヒロインに恋するのはわかっても
うだつの上がらない主人公になぜ美女が恋するのか。女は綺麗でないといけないのに、男は汚くても、だめでもちょっと男らしいだけで受け入れられるという設定が共感できない)

事件の糸口見つけるためとはいえ、
デートしてる間に同僚殺されるし
そんなことがあったにも関わらず
性欲のとめられないさまは呆れるし
抵抗している女性に無理やりする感じも
結局二人ともしたかったから結果オーライみたいらしいけど
全体的に女が弱くてどうしようもない存在として描かれているようで気にくわないし、
エッチやるだけやって逮捕するのも悔しい
逮捕するなら好きでも我慢せんかい

好きだけれども刑事として職務を全うしなければならないという板挟みの辛さがあるんだろうな、切ない...というよりも

エッチやるだけやって美味しいとこもってったなこのおっさん
と思ってしまった

ラストの白昼の花火は
一体主人公は
彼女に殺した男の店名を思い出させて何がしたいのかな?
とか思ったけど
逆説的だけれど2人が愛し合ったきっかけとなった瞬間の思い出でもあるし
中国ではお祝いの意味もあるから
新たな再スタートを切るという意味で祝福しているということかな
酔っぱらっているようだったから
主人公はおそらく元気づける意味をこめつつ
少し自暴自棄にもなっていて...

余韻のある終わり方ではある
acarii

acariiの感想・評価

4.0
説明的でない、監督のセンスとこだわりの映像美を堪能しつつ、わりと複雑なサスペンスストーリーが進みます。
作品に対する評価が低いので皆のレビューを見ると「ストーリーがわからない」「雰囲気で観る映画」とあります。でも、私も完璧にはわかっていないけど、ストーリーは結構明確にあります。
中国の日常、中国の様々な市井の人々を織り交ぜて描いているような気がします。伏線でない映像(人物)が多く、それは犯人探しの難しさを表しているかアート的な役割をしているのかもしれず、一度ではストーリーを追えないかもしれないので、2度観ることを進めます。
グイ・ルンメイ観たさに観ましたが、まず、彼女の美しさがこの映画のキーポイントです。彼女はたくさんの男を虜にしてしまうけど薄幸な、ファムファタールなのです。
対して主人公の刑事は犯人探しに夢中なのか、彼女に夢中なのか途中でわからなくなります。でも、「白昼の花火」のラストシーンの犯人が彼なら、この映画は結構立派なラブストーリーでもあります。

サスペンス好きのロマンチストにおススメです。
期待せず観たんですが、さすが金獅子賞を獲っただけあって完璧に近い作品でした。凡百の映画のようにセリフを並べてストーリーや心情を説明するのではなく、情景と演者の表情だけで美しく魅せていきます。一つの事件をきっかけに心を失った男と女。2人の人生が交わり、事件の真相が明るみに出るとき2人は再び生きる希望を見出します。
東洋なんでアイラブユーとか甘ったるい言葉は一切使われません。原題の『昼間の花火』のとおり、ラストシーンの花火は逮捕される女へ新しい門出の祝福の意味を込めて上げられます。
おめでとう。綺麗な体で戻ってこいよ。おれはずっと待ってるぞ。
netfilms

netfilmsの感想・評価

3.9
 土の中からむき出しになった死体の一部がクローズ・アップで映し出される。そこから引いてみると土の中には違いないのだが、トラックの荷台に積まれた土の中だとわかる。やがて工場のベルトコンベアーに乗った死体の一部が発見される。1999年の夏に起きたその事件では、一度は犯人に手が届くところまで行くのだが、逮捕時に警察とトラック運転手との屋内の銃撃戦の末、射殺してしまう。この屋内の銃撃戦が素晴らしい。警察側とトラック運転手側が交互に銃を発射し、最後に主人公のみが生き残る。90年代の日本映画のような瞬発力の銃撃戦である。1999年の事件から2004年への時制の飛躍をトンネルを抜ける車で描写した一連のショットに息を呑む。ただ単に時制を合わせただけではなく、1999年の夏から2004年の冬へとイメージそのものが飛翔し、まったく別の様相を呈する。1999年の夏がうだるような熱さを問いかけているとしたら、2004年の冬は凍てつくような空気と夜の闇に光る赤や黄色のネオンの不気味さである。2004年には主人公は既に刑事を辞め、自暴自棄になって酒に頼り切っている。警備員の仕事にもなかなか身が入らず、遅刻を繰り返す。相変わらず男の生活は孤独で、女の影もない。

 主人公はあえて昼間の明るいうちには行動せず、夜の闇の中で光るネオン管を好む。カメラはあからさまに反転するネオンの光を背景に入れようとする。クリーニング屋で働く女は最初はとにかく寡黙で、生という生を力強く生きていない。典型的なファム・ファタール像よりも幾分影のある薄幸のヒロインである。この役柄を演じたグイ・ルンメイの素晴らしさがこの映画を深く味のあるものにしている。過剰に塗りたくらず、どこか薄化粧で通すところも印象深い。最初は主人公の男の求愛を疎ましく思っていたグイ・ルンメイが、徐々に心を開いていく様を丁寧に描いた中盤部分が素晴らしい。黄色いネオンに照らされた屋外スキー場で、スキーの上手いグイ・ルンメイに必死でついていくリャオ・ファンの様子を、一連のモーションで描いたあまりにも秀逸な場面である。あえて台詞ではなく、モーションの中に2人の心の交流を描いていく。後半部分のロケーションも、夜の闇に怪しく光るナイトクラブをよく見つけて来たなと思った。21世紀の中国で、あのような場所が観れただけでも感慨深い。
不可解な連続殺人事件。離れた土地でバラバラにされた身体の一部が見つかるという猟奇的なこの事件に見え隠れするひとりの女。

彼女はただの被害者遺族か、それとも。。。

事件に因縁のある男女が出会い、惹かれ合い、そして事件の真相が少しづつ暴かれて。。。

う〜ん。。。肝心の事件の描き方が辻褄合わないような、意味が分からないような。。。ラストも謎だしなぁ。。。

雰囲気はあるけどミステリとしては面白くなかったんだよなぁ
残念
ツカダ

ツカダの感想・評価

3.7
サスペンス的ストーリー展開を楽しむ、というよりはカメラワークやネオンや氷に反射する光などから生み出される美しさを楽しむ作品だと個人的には思う。あと、グイ・ルンメイの美貌とファムファタールっぷり。

全体的に派手さがなくてとてもねむくなった。途中ぼーっと見ている、というよりうとうとしてた時間があったので、鑑賞後に解説を読んでなるほどとなった。恥ずかしながら。
挙げてる方が多いけどやっぱりスケートリンクのシーンが美しい。胸がひりつく、灼けつく、ぴったりな表現が思いつかないけど、どこか不安になるような美しさがある。
タイトルは「白昼の花火」の方が良かった気もするけど、薄氷という言葉を使いたくなる気持ちがすごくよくわかる。美しくて上を歩いてみたくなるけど、いつ割れて冷たい水のなかに放り込まれるかわからない、そんな危なげで、でも近づかずにはいられない美しさがあるこの映画には、薄氷という言葉がよく似合う。
依緒

依緒の感想・評価

2.5
2度観た。

なるほど、原題の「白昼の花火」のほうがぴったりだ。
か弱い美人で幸薄そうな主人公。
その美しさと儚さの中にある怪しさに惹かれ、迫る男達。
キッと怒りや嫌悪を露わにするも拒まない彼女。
何が彼女をそうさせているのか。

5年前と現在で起きているバラバラ殺人事件の犯人とは。

北野映画の雰囲気をまとった、なんとも言えない重く切ない作品だった。
トンネルの出口のシーンと
気持ちが通じあったラストの花火のシーンが好き。
meg

megの感想・評価

3.0
他の方の感想にもあるように色彩が鮮やかで綺麗だった。昼間は雪や寂れた?街並み、夜はネオンが印象的。あとファムファタールっぷりもよし。ただサスペンス的に?物語的に?飲み込みづらいなー。
288.
乗り損ないました。
あまり理解するタイプの作品ではないのかもしれませんが。
そこかしこでのシーンは綺麗で面白かったんですけど、ストーリーが頭に入ってこなかったです。

ラストは良かったなあー。

多分、高熱の中、鑑賞してたから、ボーッとしてたんだと思います(笑)
yuka

yukaの感想・評価

3.5
寂れた町をこうも美しく撮れるのか、と驚いた。撮りたい絵が常にあるようで徹頭徹尾考えられていたように見える。何かっぽいんだけど…なんだろ?すごい才能。
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