MasaichiYaguchi

PAN ネバーランド、夢のはじまりのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.8
ヒュー・ジャックマン、リーヴァイ・ミラー、ジョー・ライト監督が登壇したジャパンプレミアで鑑賞。
ディズニーアニメやミュージカルで誰でも知っているピーターパン。
だけど彼の生い立ちを知っている人はどれだけいるだろう。
本作は、ロンドンの孤児院に暮らしていた少年ピーターが“ピーターパン”になるまでを描くエピソード・ゼロの映画。
そしてピーターが母を探す「母をたずねて三千里」的要素もある。
何故母はピーターを捨てたのか、そして何故意味深な手紙を残したのか、更に彼に託した小さな笛の付いたペンダントに込めた思いとは?
これらの謎やその理由が、ピーターが母を探し求めていく中で明らかにされていく。
本作では「飛ぶこと」が重要なテーマになっている。
この映画では様々なものが空を飛ぶ。
ロンドンを空襲するドイツの戦闘機、黒ひげたちが乗る空飛ぶ海賊船、ネバーランドにいる怪鳥や妖精たち。
そしてピーターにとっても「飛ぶこと」は勇気を持って一歩踏み出し、誰かの為に頑張ることでもある。
3D版で鑑賞したが、飛び出し感よりも奥行感、大空をはじめとした空間の広がりを感じて、恰も自分が飛んでいるような浮遊感があった。
ピーターパンのキャラクターに欠かせないフック船長も青年として登場し、ピーターと深く関わっていく。
その他、ルーニー・マーラが演じるタイガー・リリーも登場し、少年ピーターの成長物語を華やかにファンタジックに彩っていく。
可愛さと凛々しさを併せ持つリーヴァイ・ミラー演じるピーターとヒュー・ジャックマン演じるネバーランドを牛耳る黒ひげとの対決、ピーターが母を探し求める展開、この二つのことを両輪にして物語はハラハラ、ドキドキ感一杯で繰り広げられる。
大人は幼い日の記憶を辿りながら子供と一緒にこの作品を鑑賞して、親子の話題としてピーターパンを共有するのも良いかもしれない。