ともすけ

6才のボクが、大人になるまで。のともすけのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

主人公らしい華々しさや明朗快活さはなく静かで地味なメイソンだが、「SNSの人生はいらない。ネットの情報に囚われずに本人と直接触れ合いたい。」と言える彼はとても魅力的な人だと感じる。メイソンは親の状況に振り回されながら、傷ついた事や危険な事を経験しながらも落ちぶれなかった。学業や写真など大きな結果を残す事もなく、自慢できるような経験や思い出がある訳でもなく大人になった。決してドラマチックな内容は無かったけど、逆境にもめげずに地味に耐え抜き続け、周りに染まりきらずに自分を確立させて大人になるところがとてもリアルで自分と重なった。今まで勉強もスポーツも芸術も仕事も自分なりに精一杯頑張った割に普通の成績しか残せずに現在に至る自分を残念に思うことがよくあった。この映画を見てメイソンに共感し、メイソンの魅力を感じて、これで良いんだと思った。
「周りに指示される(要求される)とすごく腹が立つけど、その連中は指図してる自覚すらない。誰も指図しない世界になったら最高。そうなったら普通を演じなくて済むから。」この台詞にも共感した。これから年齢を重ねさらに深まっていくメイソンを見てみたい。
ともすけ

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