kokotto

6才のボクが、大人になるまで。のkokottoのレビュー・感想・評価

4.0
6歳の子役の少年が実際に18歳になるまで12年間を撮った実験的な作品。
主人公のメイソンだけでなく家族や周りを重ねる俳優達も同じように12年の歳を重ねていく。
成長を見守るおじさんのような変な気分。
(ある意味ハリーポッターもシリーズだけどそんな感じか?)

ちょっとした場面の切り替わりで歳が進んでいるので油断してると戸惑う事もしばしばあるかも(^_^;
可愛い少年が次の場面ではちょっとヤンチャな感じに尖ってたり、ヒヤヒヤさせられたり、ラブラブなカップルが次の瞬間には険悪だったり(笑)
姉共々、年齢に合わせて色々な服装、髪型に変わってるのを見るのも楽しい。なにせ実際にそれだけ時が流れているのだからリアル。

そして主人公の父親をイーサン・ホークが演じているのだが、彼がまたいい味を出している。
最初はこの父親ダメだ、と思いきや離れてからも子供達の事を大切に大切に考えている。というか他が、まあ、、、母親男運というか男見る目なさ過ぎですね(苦笑)
「周りがなんと言おうと自分の軸はずらすな。」何気ない言葉にも重みを感じる。こういう父親でありたいな。

そして歳を重ねてようやく巣立つ時に母親が急に泣き出して発した「人生最悪の日付だわ!」「人生はもっと長いかと思ってた」という台詞。彼女もそれだけ必死に、子供の為に費やして来たんだろうと感じた。これであとは「お葬式」ではなく彼女にもまだまだ長い人生を自分の為に生きて欲しい。

終盤での台詞、「みんな一瞬を逃すなと言うけれど一瞬が私達を逃さない。」「時間は常に途切れない。一瞬は今ある時間の事だ。」も心に響いた。

冒頭にも書いたが、僅か2時間40分の駆け足とはいえ12年間を見守ってきたおじさんのような気分なので自分にとって大切にしたい作品となった。

◆2019年 141本目
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