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物置のピアノのEDDIEのレビュー・感想・評価

物置のピアノ(2012年製作の映画)
3.3
芳根京子長編映画デビュー作。東日本大震災前後の福島を舞台に描く姉妹の葛藤。
才能を諦めることなく、殻を破っていく地味な女子高生の物語。ただ姉妹のエピソードと福島原発のテーマ性が邪魔をし合い入り込みづらさがあった。

芳根京子ファンのEDDIEです。
とはいえ、まだまだ彼女の出演作を網羅できておらず、特にブレイク前の作品はほとんど観たことがありません。
ブレイクのきっかけは2016年の朝ドラ『べっぴんさん』だったと思います。
私は映画『累-かさね-』やドラマ『イノセント・デイズ』、『高嶺の花』あたりが彼女に夢中になったきっかけでした。
なので、そのあたりの作品以降はほぼほぼ外さず観ております。

さて、本作『物置のピアノ』は、芳根京子の最大の魅力である演技力はまだまだ原石程度の光具合でしょうか。
特にセリフまわしはちょっと滑舌の悪さもあって、聞き取りづらい部分がありました。ただし、一つ一つの動作や表情などは天性のものでしょうか。さすがと思わされる表現力。逆に彼女の原点となる作品を見たことで、彼女は最初から完璧な天才女優というわけではなく、努力で弱点を補った努力家ということがわかりました。
もうそれだけで収穫です。

しかし、本作の設定上、芳根京子演じる主役の宮本春香は地味で目立たない女の子。対照的に美人で優秀な姉の秋葉という比較する対象がいたわけですが、対照的というほど春香が劣っているとは思えませんでした。だって芳根京子が美人なんですもん。
子供の頃のとある出来事がきっかけで姉の秋葉と妹の春香はギクシャクしていくわけですが、それにしても姉の秋葉は自分勝手すぎます。あまりにも性格が悪すぎる…。

東日本大震災後の福島を舞台にしているということで、テーマ性として描きたい部分はなんとなく伝わったものの、やや描写不足だったり、演出の不満を感じたりしました。

またプロのピアニストを夢見る春香という設定にしては、弾いている曲も置きにいっている感覚。音楽ど素人の私でも知っている教科書にも載っているようなメジャー曲ばかりで、なんだか残念な気分に。

それにしてもピアノが物語に登場する作品って連弾がお決まりなんでしょうか。
本作のほか、『蜜蜂と遠雷』はとても連弾がいい要素になりましたし、『シン・エヴァンゲリオン新劇場版』でも連弾シーンがありました。

とにかく芳根京子出演作品をしっかりと追いかけていこうと思います。

※2021年自宅鑑賞71本目
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