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テッド 2のmotoyAliveのレビュー・感想・評価

テッド 2(2015年製作の映画)
4.6
『愛を誰かの心に呼び起こさせる存在こそ人間』
テディベアの人権を巡るお下劣コメディ法廷劇。

《あらすじ》
前作からの恋人タミ=リンと結婚をしたテディベアのテッド。彼らは子どもを望み、養子縁組を申し込みにいくが、テッドは人間ではないことを理由に断られてしまう。そればかりか今までなあなあとなっていた法的な人権も剥奪され、仕事は解雇、結婚も取り消しされてしまう。そんな人権を失ったテッドが人間であるのか、モノであるのかを争うため裁判を起こす。

《感想》
1に引き続き、いやさらにパワーアップし、下品でぶっ飛び過ぎていて、相変わらず最低で最高な続編だった。倫理観も道徳観念もあったもんじゃないテッドとジョンには自由過ぎるアメリカを感じてしまう。ランニングしてる人にりんごをぶつけたり、コメディアンに対して不謹慎なヤジを飛ばしたり、アメリカのコメディは何でも許されてしまうのかと逆に感心してしまうほど。

テッドとジョンの切っても切れない友情は今作も健在で、ラストはうるっと来てしまうシーンも。

1でジョンと結ばれたミラ・クニス演じるロリーとは離婚してしまい、今作に登場しなかったのは残念だったが、新キャラのアマンダ・セイフライド演じるサマンサもクセのあるキャラクターで魅力的だった。ロリーはテッドとジョンの行き過ぎた部分を止める役割を果たしていたのが、サマンサは二人に乗っかり同じようにバカをやるというのがまた面白かった。

今作はふざけっぱなしというわけではなく、テッドが人であるかモノであるかというところが大事なテーマでもあり、テッドそのものが差別される側のメタ的な存在であったところが人間ドラマとして深みを与えていたようにも思える。

前作同様、映画のパロディも随所に織り交ぜられていて、特にお気に入りはテッドとジョンが大麻畑を見つけるシーン。ジュラシックパークのテーマ曲をバックにグラント博士とサトラー博士が草原でブラキオサウルスを最初に目撃した時のやりとりをそのままに再現しているのはたまらなかった。

個人的には1よりも2の方が笑ってしまうシーンも多く、そこにシリアスな内容も上手いこと組み込まれていて、好きだった。
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