JIZE

テッド 2のJIZEのレビュー・感想・評価

テッド 2(2015年製作の映画)
3.4
下劣な過激論争は限界まで激化!!隠れ大物俳優や名作映画の皮肉パロディも多数!!前作から3年..やはり今回もお下劣かつお下品ムード全開なR指定内容。題材は人間とモノの社会貢献や共感能力を享受する"感性の違い"を暗喩し自己認識をテッドに訴え掛け変容を巡るお話。前作に引き続きコメディ映画である筈が過激な言動でR指定を受ける本作ですが,人種差別やゲイ人種を皮肉る描写も数多く公民権を巡り奔走する内容は過激で下品な脚本と噛み合わず今作は題材的にも本末転倒に思えた。正直,前作ほど暴れ狂う暴挙ぶりをテッドは発揮せず受動的な感性で突き進み人間に近付く為の展開を嫌味ぽくも素直に受け止める善良派テッド⁉︎な印象。娯楽映画としては勿論一定の域に達し楽しめますが。中盤の間延び問題も私自身は否めないポイントでした。ファンなら全編爆笑だと思います。

概要。監督・脚本及びテッドの声を担当するのは前作同様セス・マクファーレン。ゲスト俳優ではアマンダ・セイフライドが名を連ね前作に引き続きR15+指定作品に認定。ネタばれ回避の為,評内では隠れ大物俳優や名作映画のパロディオマージュの実名は伏せますが,正直本幕の題材よりこちらの方に全開で目が向きました。クオリティの高さに本気で唸らされます。是非私みたく違う見方も。

前作と明らかに違う点。要はテッドが人間女性と結婚し子供を願う非現実かつ実現不能な目的(終着点)。そこを巡り相棒(親友)ジョンと共に奔走する脚本。更に踏み込めば人間である協調感情を右往左往し米国政府に証明するお話。テッドの人間証明を弁護士サマンサが協力し冒険活劇の要素も後半部は特に感じました。サマンサ役を演じたアマンダの歌唱描写やテッドに吊られお馬鹿ノリに便乗する描写などはファンからしても彼女自身の内的魅力が放出し納得の出来栄えに思えました。ギターをテッドにぶち投げる描写は最高です。

色々脚本を考察し,絶対的な法律という今作の大きな壁をテッドが破ろうと証明し人間である権利を勝ち取る最終的な終着点からこのお話を振り返り全てを見渡せば案外お話の世界観が閉じた内容に思えテッドの暴挙かつ毒舌気質が題材的にも矮小化され構成にすら皮肉的に思えた。「結婚なんて糞くらいだ止めてやらぁ!人間なんて全員死ね!」くらいの性急な転調をクライマックスに起爆剤的にも仕掛けてほしかった願望は残る。まぁ正統的な続編を製作し馬鹿な国民の支持を煽り是非次作に繋げる意図なら別ですが。なんしか中盤のドタバタ冒険劇の方向性が二転三転し集約性に欠ける間延びが否めない印象。3部作目があるなら今作を打ち消すゴア描写&御法度連発な禁作を期待します。

テッドの人間性も濃く証明したいんならもっと別の手段で彼を引き立たせるべきだったようにも思う。要は相手の事をよく罵倒し皮肉るがそれは相手の事をいつも想い良好な状態を保つ為にも優しさに満ち溢れてるからだとか人間性を証明するなら人間的な泥臭いテッドを見たかった。全体的に前作より題材ギャップを感じたのは事実で似合わない事をテッドに仕向けた印象。感動も一切削ぐ程の作品なんだから御法度なんて気にしては駄目だ。中盤はロードムービーの様子を介し別映画化してました。アマンダの新キャラが内容の興味を無理やり繋いだと思います。終盤コミコンで争う映画的な盛り上げ場面も法廷を前にクライマックスの下敷きにすら尺稼ぎに思えました。目的地点に向けた点と点の合理的な繋げ方が全て集約性に欠け感情移入しづらい内容。

補足論:前半は前作通り暴挙かつ毒舌な悪テッドを十分に堪能出来たが結婚剥奪や弁護士依頼の核心部の障害を迎えるに連れドンドン良心的な気質に熊が様変わりし善テッドに推移する題材ギャップは嫌味を覚えた。

従い,製作が叶うか定かでないですが実現すれば3部作目の最終章に期待!!アマンダの起用が全体的に色濃くお話を混ぜ結果オーライにすら思えた。あと廃棄用の精子を全てカブる描写があり偽りと察知してても若干引きました。。不法侵入し男の精子を奪おうと試行錯誤する描写も同様に。今作を料理屋に例えれば前半で注文した料理を後半で別料理に差し替えられた気分。何とも噛み合わせの悪い材料。前作に興味を惹かれた方は今月28日公開時に,お勧めです!!
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