Yuri

ハッピーエンドが書けるまでのYuriのレビュー・感想・評価

2.5
柔らかく緩やかに、環境や自分が変化していく様を、家族全体を通して描いている作品です。サマンサの家は、母親以外は皆、作家で、ちょっと特殊環境だけれど、皆、作家だからか、繊細で、親の不貞を受け入れられなかったりします。私は、母親のエリカの立場に近いので、彼女が、娘から、親としての自分以外の部分、つまり、一人の人として、女としての自分を、認めて貰えない辛さが、とてもよく解りました。エリカの、どんな自分も認めて貰いたいし、愛されたいという欲張りな感情や弱さが、人間らしくて好きでした。サマンサとルイスの心が、恐々と近付くきっかけとなった、車の中の雨の音と曲のハーモニーも、とても好きなシーンです。サマンサの、エリカに対する心の変化をエピソードとか入れて、もう少しわかりやすく描いて欲しかったです。あと、結局ラスティと彼女はその後どういうやりとりをしたのかとかも、きちんと描いて欲しかったです。欲しいものや環境は、手を伸ばさなきゃ届かない。手を伸ばして傷付いて、一人で立てない時は、誰かと支え合って、そうして人は、経験を自分の糧にすることが出来るのだと、サマンサたちの一生懸命な姿を観て、感じました。強くなくてもいいんだと、救いのある映画です。淡々と見えるけど、どのシーンも、一歩一歩進もうとするシーンばかりなので、テレビを付けてずっと流しておきたい感じです。リリー&ローガンペアが、とにかくキュートで、ずっと観ていたかったです♪
Yuri

Yuri