GT

悪徳の栄えのGTのレビュー・感想・評価

悪徳の栄え(1988年製作の映画)
3.2
マルキ・ド・サドの小説の映画化…というわけではなく「悪徳の栄え」の舞台を上映している劇団の話。
冒頭の、裸の女を侍らせて汚らしく飯を食うシーンのインパクトは絶大で、これぞサドの小説世界、といった感じ。これは期待できそうだ、と思ったのも束の間で、それ以降は結構グダグダ。ストーリーというものはほぼ無くサドに関連した哲学的なシーンや台詞が続く。原作の「悪徳の栄え」はとにかく滅茶苦茶な作品で、放蕩に次ぐ放蕩、残虐に次ぐ残虐で、あまりに内容がアレ過ぎて投獄されたという伝説の作品。それを期待して見たためか、些か肩透かしを喰らった感じ。勿論非倫理的でエロティックなのには間違いないのだが、原作の毒気には到底敵わないようだ。屋根裏部屋の人形など、日本的な不気味さは割とすき。
GT

GT