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喰女 クイメのpaipoiのレビュー・感想・評価

喰女 クイメ(2014年製作の映画)
3.0
2014年/四谷怪談で夫婦を演じる浩介と美雪。実生活でも2人は親密であるが、浩介は他の共演者とも逢瀬を重ねる。相手は不倫相手を演じる役柄の女優だった。


日本演劇界では最大の敬意を払って演じられる四谷怪談を、よもや映画の中で鑑賞させられるとは思いもよらなかった。本気の舞台装置・本気の演技、リハーサルながら食い入るように魅せられてしまった。

役へのめり込む余り私生活も役柄に似てくるのか、似ているから配役されるのか分からないが、四谷怪談と演者の同調の酷似が不気味に思えた。喰女とは、役者をも取り込むお岩さんの怨念の塊に感じる。
ホラーで一括りにするには難しい、怪談と人怖を融合させた気味の悪い後味。

英語は良く分からないが、エンドロールに流れる歌に物語の補強を託している?She’s Just a doll.(←リスニング自信なし)喰女に乗っ取られた柴咲コウ、つまり美雪は確かに喰女の操り人形とも言える。
投影される全ての素材を、見逃すことなく解釈のヒントに使わなければならない気にさせられる邦画は、忙しく難しい。
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