土屋ノリオ

アメリカン・スリープオーバーの土屋ノリオのレビュー・感想・評価

4.2
先日、京都みなみ会館で行われた<グッバイ、ハローNight>オールナイト企画で、『フランシス、ハ』『シンプルメン』と上映された本作。『イット・フォローズ』の監督デヴィッド・ロバート・ミッチェルの長編デビュー作で、アメリカ・デトロイト郊外を舞台に、夏休み最後の週末を迎えた若者たちの恋や成長を描く青春映画。アメリカは夏休みの最後にスリープオーバー(お泊まり会)をやる文化があるらしく、その、年に一度の「特別な夜」をメイン4人の4つのエピソードからなる群像劇スタイルで描いている。80年代後半の携帯電話なども無い時代が、『すてきな片想い』『フェリスはある朝突然に』では監督、『プリティ・イン・ピンク/恋人たちの街角』『恋しくて』では、脚本・プロデュースを手掛けた、今は亡きジョン・ヒューズの作品を思い出してしまった。少し古めなら、ジョン・トラボルタとオリビア・ニュートン=ジョンが出ている1970年代の学園ミュージカル『グリース』を感じさせるシーンもあり、懐かしさもこみ上げてくる。

10代ってこんな感じ・・・
現実離れしない
キャスティングも絶妙
飛び抜けた美男美女がいない
親近感がわく
根拠のないドキドキ
『イット・フォローズ』っぽい廃墟

鑑賞後に十代であり続けたくなる青春群像劇は、今後は間違いなく、マニアな古典作品として残っていくだろう。まだDVDは発売されていないそうなので、もし再上映などで鑑賞できる機会があれば是非。
土屋ノリオ

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