椎名一霤

オキュラス 怨霊鏡の椎名一霤のネタバレレビュー・内容・結末

オキュラス 怨霊鏡(2013年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

※犬が死にます

上質なホラー映画だった。

2人の幼子を持つ夫婦が新居に引っ越し、アンティークが好きな妻のために古く大きな鏡を部屋に置く夫。その鏡は実は曰く付きのモノで夫も妻もおかしくなり何やかんやで2人とも狂っていき憔悴しきったのち夫が妻を銃殺、子である姉弟の姉が首を絞められオワタ…というタイミングで弟がゴルフクラブで父の右腕を殴打、銃を奪取、父を銃殺。姉弟はその鏡をぶち壊すと固く誓う。

という過去を持つ姉と弟。それぞれそう容易く出られはしない施設で幼少期は過ごし、それぞれ大人になり再会。あの鏡をぶち壊すという約束を果たそうとするが…

というお話。あらすじはありがちだが設定や演出が中々に凝っていて、鏡が幻視を使って事実を誤認させるという演出が特筆すべき点だ。たとえばわかりやすいのだと「リンゴを齧ったつもりがそれは幻視で実際には電球を齧っていた!」という幻覚。ほんとはちゃんとリンゴを齧ってる。そしてこれならあの鏡をどうにかできるかもしれない!という手段や事前準備を余すことなくしておいたにもかかわらず、結局最初から最後まで全部鏡の思い通りに誘導されていたことも恐ろしいものだ。兎に角、大変良い出来の映画だったと思う。

ちなみにいうと何ひとつうまくいかない(所謂胸糞的な)悲しいエンディングでした。