りょうた

快楽学園 禁じられた遊びのりょうたのネタバレレビュー・内容・結末

快楽学園 禁じられた遊び(1980年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

暴力的で胸くそ悪くなる作品ではある。冒頭はコメディ・タッチで進行するかに思われた。校長をはじめとした男性教師が問題を起こした女子生徒(彼女は好意を寄せていたクラス委員の男ミチオを守るために肩代わりした)を縛り上げレイプする。また女性教師も男性教師らによって侵される。そうして暴力的な男性社会を浮き彫りにする。唯一この状況の異常性を訴える男性(「日常の中の非日常だ」と言う)も、強盗を装って妻をレイプすると快楽に喜びを覚えた彼女に愕然とする。女子生徒の家庭は〈隠し事のない開放的な家庭〉もモットーにしており、秘密は許さない。そして、いずれは分ることだからと両親のセックスを見せられる、などなど。この作品を見た観客は「見るに堪えない」「地獄だ」「汚い」とこの作品を見ていうかもしれない。ただ神代辰巳はそう言うだけでは済ませようとせず、博士が望遠鏡で覗いていたようにわたしたち観客が作品を「覗いている」ということを同時に意識させる。そして、射精した博士は自身の精子を拭きながら「地獄だ」「汚い」と他人に言っていた言葉が自分自身に反射しているのを気づかずにはいられない(博士が開発するのは「便宜上悪人になれる薬」)。性を汚物と捉えるとこの世の中は「汚い」「地獄」かもしれないが、わたしたちもその直線の上の点にすぎず、絶えることのなかった性の連鎖の上で生を授かっている。男性主義的社会、また如何なる人間も両親から生まれたという決定的事実から目を逸らせまいとする作品である。テントのシーンは圧巻。
●覗き見る視線 オフボイスでのすすり泣き 
●博士の助手マリア 聖歌隊の音楽をヘッドホンで聞く女子生徒 
●催眠術師「素直じゃない」 同情心からかかったふりをする 
りょうた

りょうた