《ご長寿の映画》Part.Ⅲ、Vol.21。
この企画、観たい時に観ないとなかなか先は見えない。というか、先が見えるとかあるのか、それが気になり、もう少しだけ進むことにする。
と思ってたら、1つ先が見えた。
『ポリス•ストーリー』、シリーズ第6作目。
そして、7作目の“REBORN”はなぜかそれだけ前に観ててレビュー済みなので、今回の6作目で一旦、ゴール。
5作以上続くシリーズ作品を《ご長寿の映画》と一括りにして終わりなき無限コンボ状態で手当たり次第の中、なんであれ何か1つシリーズを完走するのはなかなか感慨深い。
最近ジャッキーにハマって今回このPart.Ⅲで6作目まで割と立て続けに観たが、案外飽きずに観れるもんだ。
やっぱりジャッキー“イズム”は、最初から最後まで健在だった。楽しかった。
1作目からこの6作目までで約25年。
当たり前だが、ジャッキーが重ねてきた年月があって、初期の頃よりもアクションやスタントの頻度や程度は多少なりともマイルドにはなる。
ただその度に、代わりに周りが動きを作ったり、体1つだけではなく車、重機、ロケーションなど“モノ”や“スケール”を拡充したり。
そして、2013年の6作目、このジャッキーは“経験値”“歴史”、そして“哀愁”すら手に入れた、まさに“レジェンド”と化している。
1つ1つのアクションと組み手の段取りが丁寧で重く、タフ。
肉体として全盛期を過ぎているからこそ、その体に鞭を打って身を挺して、娘や市民を守らんとする姿にとても心打たれる。
自分も含め何人かの市民が捕えられ皆がザワザワガヤガヤ、キーキーギャーギャーと騒ぎ立てる中、決して動じず、屈せず、道を探す。
今回は相手もただの勢いや力や金で押し切るタイプと違う。
虎視眈々と彼は彼なりの道理に淡々と従っては動く。
この冷静で緊張感のあるやり取りは、逆にここまで重ねてきたジャッキーだからこそできる重厚感を呼び覚ます。
圧倒的に不利な人質拉致事件、自らも、そして彼の娘も“人質”となる。
他の人質の身を案じ、娘を案じ、相手と戦い、交渉もし、警察組織側との調整役にもなる。
たった1人の刑事に課される職務の範疇を優に超えた大騒動を、中も外も収めるまさに“レジェンド”。
ぶっちゃけ、過去のシリーズとは繋がりはない作品ではある。
だがしかし、数々の死線を潜り抜けてきたジャッキーだからこそ出せる醸し出せる変え難い雰囲気がある。
一度は救えなかった命、それがやがて呪縛として再び彼にその“代償”を問うてくる骨太なドラマが印象的。
ガッツリ勢いガンガンの格闘アクションはないけど、地下格闘技的なコンバットは、さすがジャッキー。そこに集約した感があるが、それだけのことはある。
愛すべきエンタメの“レジェンド”、ジャッキー。
次は『プロジェクト』シリーズか、近々またいくぞ。
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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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