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ハミングバードの2049のレビュー・感想・評価

ハミングバード(2013年製作の映画)
3.0
スティーブン・ナイト監督の初監督作品。監督2作目のオン・ザ・ハイウェイは走行する車内の運転手の様子をリアルタイムで写し続けるワンシチュエーション映画であり、味わい深い良作だったので本作も期待を持って鑑賞。

本作もスティーブン・ナイト監督らしい作品であり、ジェイソン・ステイサム主演だが単純なアクション映画ではなく、寧ろ二人の人物が人生に向き合っていくドラマ中心の映画だった。

ただ、話しの主軸がどこにあるのかはっきりせず散漫な印象になっている。
ステイサム演じるスミスとシスターがお互い不器用に少しずつ心を開いていき人生を取り戻すドラマパートと、ドーンを殺した者への復讐・裏の仕事パートがイマイチ食い合わせが悪いような気がする。
シスターに真っ当に生きるよう諭され続けても復讐のためとは言え、裏の仕事から抜け出せないスミスに感情移入しづらい。

復讐劇として見ても、ドーンとの関係がどれだけ親密なものだったのかという描写が一切ないのでこちらも感情移入出来ず。ドーンが少女というのも…

またスミスが抱えるトラウマが終盤で明かされるが、PTSDを抱えた主人公という設定も描き込みが足りず中途半端になってしまっている。

スミスは怒りを抑制出来ず、戦地で行った過ちをロンドンでも繰り返してしまう。また、ドーンは薬漬けにされていたことから、裏の仕事を行なっているスミス自身もドーンの死に多少なり絡んでいたかもしれない…完全懲悪的なアクションを期待して見たらかなりダメージの大きい映画体験になりそうだ。
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