Ami

海を感じる時のAmiのレビュー・感想・評価

海を感じる時(2014年製作の映画)
3.9
前評判より全然良かった。この映画の言いたいこと、よく分かる気がする。
始めて肉体関係を持って、他人の温かさに、飢えた心が満たされた気がして、そこにハマっていく恵美子。
女として求められることで人間としての価値を認められた気がして、人として大切にされなくても、ある意味で満たされる気持ち。その一方で、母親からは女ではなく娘として扱われるギャップ。
大人になっていく過程の苦しみ、家族との上手くいかなさ、人として大切にされない苦しさ、いろんな辛さが映画前半では重なり合って息苦しかった。

クズ役の池松壮亮は流石。
時間が経って、いつもそばにいる相手に洋は情が湧いて、好きな気持ちが芽生える洋。
愛する家族がいて、幸せ故に恵美子の苦しみも孤独も分からない。
姉に自分たちの関係を話したりする、そういう幸せな能天気さ、姉から受け入れられている洋の幸せさに、恵美子は洋かが少しも自分のことを理解していないことに気づいたんだと思う。

洋にいざ愛されてみて、自分が散々傷付けた相手を好きになる洋の人間としての浅さ、都合の良さを、恵美子は許せなかったんだろうなぁ。
市川由衣ちゃんいい演技でした。
1人の少女が大人になっていた。
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