Satouko

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のSatoukoのレビュー・感想・評価

4.8
第二次世界大戦下のイギリス。戦争に勝つため、人々を救うために行われたエニグマ解読、天才数学者アランチューリングの実話。ここで何を語ろうと考え思い出すだけで観たずっしりとしたものが脳内を駆け巡る。最後まで、特にエンディングにはこの上ない気持ちに沈んだ。鬼才ゆえの苦しみ孤独。たくさんの場面で見られる彼の人間性や人間像、彼が暴力を強く嫌う理由、天才とはやはりこういう人のことを言うのかという納得と、難しそうで実は真っ直ぐお腹に落ちる内容で、伝わりやすかったため得るもの考えるものも一層大きかった。人は1人では生きていけないんだということを改めてではなく、この映画を通して初めて知った。ジェーンがいたから、仲間がいたから、人と関わろうとしたから、相手を知ることによって生まれた信頼関係。思いよらなかった数々の笑顔になれるシーンに今思うと救われた。同性愛が犯罪だった時代、イギリスがドイツに宣戦布告した1939年、アランチューリングという人物が存在したこと自体、知らなかった事が多すぎて、余韻がずっしりと残っていたこと以上にこの映画を観ることが出来て良かった。そして偉大な天才達は、感情を大部分で悲観的にしか捉えることが出来ないのかとも思った。時代において、彼らの偉業や過去、生涯がどれだけのものかだなんて想像もつかなければ、自分が彼らのうちの1人だったらどんな結末かなんて目に見えているけれど、心を晴れやかにして死後をを迎えた歴史上に残る人物たちはどれぐらいいるのだろう。カンディンスキーやベートーベン…しか今は出てこないけど、彼らの生涯を描いた伝記映画をもっと観たいと思った。これを観た後Wikiの製作や評価、論争、社会活動を閲覧することを強くおすすめする。ベネディクトのハマり具合や彼の演技に釘付け。
Sometimes it is the people no one imagines anything of who do the things that no one can imagine.
The Imitation Game "計算する機械と知性"
Satouko

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