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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密のbluemercenaryのレビュー・感想・評価

3.7
チューリングの生い立ち、天才故の不遜で不器用な性格、そしてある秘密が物語の一つのkeyword
彼の告白からドラマの展開(解読作業も)が変わるのだけれども、この告白の内容が後に彼を悲劇へと向かわせてしまう。
戦時中はチームの仲間の理解があったから彼にとっては幸せな時間だったと思う。

もう一つのkeywordはエニグマ解読。
歓喜は解読完了の瞬間だけ。
その直後に聡明すぎるチームメンバーはある事実に気付いてしまう。
戦争を優位に進めたい上からの指示―――他人の生死/命の選択―――それを解読チームが決定する残酷さ。
更に絡むMI6の思惑―――既に対ソビエト戦略が始まっていた。
誰も信じられなくなるチューリング。
不世出の天才も政治の駆け引きの前では無力だった。
もっと言及すると暗号解読の天才も、人間心理の解読は出来なかったのかもしれない。
(そこ出来る人いないよね。)


面白かった。
もう見事としかいう他ない傑作だと思う。
主人公アラン・チューリングの半生とかれが係わった実話の映像化。
ベネディクト・カンバーバッチを筆頭に配役/キャラ立ちが明確だった。
カンパーバッチの知性に依る演技力がなければ完成しなかったと云っても仮言ではないでしょ。
ほんとマジで。

チューリングがクリストファーと名付けたマシンが現在のコンピューターの原型。
そして某PC企業創業者にとって最大のアイドルだという事実。
それなのに彼の最期と、英国での扱いはあまりにも残酷。
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